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アドラー心理学講座
アドラー東北
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昨今のいじめに関連した事件を見ていて思うのは、起こった事態についていじめられている子どもと、それを取り巻く大人の認識の隔たりについてです。
子どもが「いじめ」であると訴えても、大人が「それほど深刻ではない」とか、訴えどうりに取らないということが事態を深刻化していると感じます。
アドラー心理学の認知論で言えば、起こった出来事についての意味づけが人それぞれ違うのですから当然と言えば当然ですが、こと「いじめ」に関して言えば、子どもの訴えを全面的に大人が認めないと同じような事件は繰り返されるだろうと思っています。
もしかしたら大人側の認識が正しかったとしても、空振りだったとしてもです。
これはいじめに限ったことではありません。虐待もそうですし、体罰もそうです。
「辛いのは誰なのか?」「当事者は誰なのか?」ということを大人の側が常に意識して関わることをしていかないと同じような事態は起こるだろうと思います。
いじめをめぐっての悲しい事件を見聞きするたびにこれは思うことで、当事者(いじめられている子ども)の立場に立って考えられる大人が一人でもいればこうはならなかったであろうと感じます。
子どもは辛くてもなかなか言葉には出しません。普段と違うな、何かあったのではないか、そういうことを敏感に察知できる感性が大人側に求められているのです。
子どもと普段から何でも話せる親子関係、教師と生徒の関係であればいいのですが、そうでないことも現実には多いです。
ですから誰でもいいので気が付いた大人がその子供の味方になることが求められます。
その子がいざというときに駆け込める人になるのです。そういう人が一人いるだけで子どもは安心を得ることができます。
できれば学校に1人、家庭に1人いるのが理想だと思います。弱音を吐いたり、起こった出来事を黙って聴いてくれる人がいれば、子どもは安心します。
もちろん勇気づけを学んだ親や身近な教師がその一人になることが一番望ましいと思います。辛さを抱えた子どもを孤独にしてしまわないこと、いじめられている子どもに対して大人ができることのひとつです。
いじめがわかった場合には、まず当事者の子どもの安全確保が最優先となります。
どういう場面でどういういじめがなされているのか、大人側がそれを子供から聴くなりして、事前にそれを回避できるような行動をとっていきます。
たとえば、休憩時間のトイレでいじめがあるというのであれば、休憩時間に教師がトイレに行って待機する、下校時にいじめがあるのであれば、下校時の見守りを教師がする、親が近くまで迎えに行くなど、大人の目が常にあることをいじめている側に知らせていくことです。
できる範囲でもこういった取り組みを続けていくことでそれだけでもかなりの抑止力になります。またいじめを目にしたときには親の側も教師も毅然とした態度が求められます。
子どもの「安全」が確保されているのかどうか、を常に念頭に置いて対策を講じることが親と教師の双方に求められていることです。
ちょうど学童期、思春期にいじめという経験をすると、アドラー心理学で言うところのライフスタイル形成に関わるかもしれません。
けれども最終的に自分を取り巻く他者を敵とみなすのか、それとも友であり仲間であると見なすのかは、本人の自己決定にかかっています。
私たちを含め周りの大人や同年代の子供たちにできることは、おおむね他者は安心していい存在で、子どもにとって必要があれば手を差し伸べる用意があり、あなたの仲間であると感じてもらえるようにすることです。
勇気づけのクラスづくり、勇気づけの親子関係が欠かせないのは言うまでもありません。いじめという過酷な現実を経験し、傷ついた子供が、他者への不信を募らせ孤独や危険の世界観を持たせてしまうような対応は避けたいものです。
自然に他者の中に入っていくこと、入ることも時間がかかるかもしれませんが、子どもの力を信じて身近な大人が信頼と尊敬と勇気づけを持って子どもに関わっていきたいものです。
日本アドラー心理学協会認定・マスタープラクティショナー
日本支援助言士協会認定・コミュニティカウンセラー
日本ブリーフセラピー協会認定・ブリーフコーチ・エキスパート
ヒューマン・ギルド社認定
SMILEリーダー、ELMリーダー&トレーナー
誠実に一生懸命に丁寧に
15年の臨床経験に基づいて「受講生さんを笑顔にする」をモットーにしております。ご相談はお気軽に。
思春期の子どもとの関係に悩んでいてアドラーの本に出会い受講しました。子どもを支配しようとしていた自分に気づかされました。何から取り組んでいったらいいのか明確になり、重くのしかかっていた悩みから解放されました。